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評価:
![]() 濱田 逸郎,神原 弥奈子,鈴村 賢治,石黒 不二代,湯川 鶴章 時事通信出版局 ¥ 1,785 (2008-12-24) |
いわゆるポータルサイトでは、運営費を賄うために広告費が必要です。
旅行サイトなら旅行会社、不動産サイトなら不動産会社というように
営業の方が頑張る世界です。
このBtoBサイトの広告営業で何が一番難しいかと言われたら、
おそらくお客さんから口をついて出る「で、ネットって効果あるの?」
という意識を変えていくことです。
効果が無いものにカネは払えないという経営の視点はもちろん大事。
しかし、私たちはまだまだWEBの魅力をお客さんにアピール
できていないのでは?とふと反省してしまいます。
ではどのように伝えればお客さんの理解が進むのか?
そのヒントが詰まった1冊をご紹介しましょう。
章ごとに執筆者が違うため良し悪しはありますが、
営業・営業企画・マーケティング・広報・宣伝の方はいっそ買っちゃってください(^ ^;)
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■本書の構成
第1章:オンラインメディアが広報業務に与えた影響【総論】(濱田逸郎)
第2章:ニュースリリースを軸としたネットPRの概念(神原弥奈子)
第3章:テキストマイニングのWEBへの役立て方(鈴村賢治)
第4章:オンラインメディアがマーケティングにもたらした変容(石黒不二代)
第5章:広報担当者の広がる役割【総論】(湯川鶴章)
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■立ち読みのポイント
⇒59ページ【 ケンコーコムのニュースリリースの工夫 】神原さん
経営者の方の中には売り上げに直結しない業務を嫌う方もいます。
だって自分が必死で営業をしているのに、
帰ってきたら部下が机でパソコンとにらっめこ。
ましてやニュースリリースなどせこせこ書いている場合か!と言いたくなるでしょう。
こうした方にはWEB上でニュースリリースを発信する意味を
きっちりと伝えなければいけませんよね。
ここでは健康商品のECサイトであるケンコーコムの広報を事例に、
ニュースリリースの工夫の仕方が取り上げられています。
◇ケンコーコムのニュースリリースの工夫
・月間売れ筋ランキングを発表
→商品ページへのリンクを設置:誘導効果+被リンク効果
WEBは更新が命!ということで、
ニュースリリースの発信によって更新機会を得るだけでなく、
商品ページへの誘導によるコンバージョン改善や
内部リンクによるページ増、場合によっては外部リンクを得ることで
SEO上非常に意味があることだとわかります。
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⇒60〜65ページ【 ニュースリリースを書く切り口 】神原さん
では、ランキング以外にはどんなニュースリリースの切り口があるのでしょうか。
神原さんが提示する切り口を以下にまとめました。
いずれもネットという媒体と相性がよいことがポイントです。
◇ニュースリリースを書く切り口
1)商品・サービス
新商品・新サービスの発表
毎月の販売推移
導入事例
機能追加・料金変更等
2)企業動向・業績・IR
IR情報
3)調査・報告
自主調査
ランキング
4)技術・開発
開発者ブログ
5)告知・募集
セミナー
6)人事
採用イベント
人事ブログ
---------------------------------------------------------------------------
⇒45・53・67ページ【 マスメディアとオンラインメディアの違い 】神原さん
既存のマスメディアとオンラインメディアの違いを説明する際、
情報がWEB上にストックされていくことがポイントになりますが、
ここの箇所ではオンラインメディアの特徴を以下のように伝えています。
◇マスメディアとオンラインメディアの違い
●マスメディア(プレスリリース)
フロー情報性→一過性の瞬発力
メディアにとって有益な情報に制限
発行部数や視聴者数といったあいまいな数値が基準
●オンラインメディア(ニュースリリース)
ストック情報性→長期的に認知機会が増大していく
ステークホルダーにとって有益な情報を発信→伝播性が高い
測定可能な指標がある→新機軸の指標の総合的に見ていくべき
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⇒66ページ【 ネットPRの効果測定指標 】神原さん
前項でネットの効果は多面的・総合的に見ていく必要があると提示されましたが、
その指標はたとえば以下のように示されています。
◇ネットPRの効果測定指標
・検索結果のインデックス数
・検索結果の表示順位と関連サイトの表示数
・自社サイトのページビュー(アクセス数)
・自社サイトを訪れた人数(ユニークユーザー数)
・問合せ数(資料請求数・コンバージョン数・売上)
・各種サイトでのランキング順位(週刊誌・専門誌・格付けサイト)
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⇒81ページ【 ネットPRの効果測定における価値観 】神原さん
さらに、指標は短期的なものと長期的なものに分かれ、
継続して使うことで見えてくるということです。
◇ネットPRの効果測定における価値観
●短期的な指標:見える効果
・その時々の指標(PV・UU・CVS)
●長期的な指標:見えない効果
・累積する指標(インデックス数・被リンク数・ブログ引用数)
・情報を発信しない、もしくは中断したときには新しいマーケティングデータが入ってこないリスクがある
---------------------------------------------------------------------------
⇒128〜129ページ【 マーケティングプロセスが変容したことの意味 】石黒さん
購買プロセスを説明する際によく使われるのが、
「AIDMAからAISASになりました」という公式です。
消費者サイドの視点で捉えると、「ふ〜ん、そうだよね」で終わってしまいそうですが、
企業サイドから捉えると、実は以下のような意味があると解説されています。
◇マーケティングプロセスが変容したことの意味
●AIDMA
認知段階に莫大な投資
興味関心段階以降は顧客接点が限定的なため移行しにくかった
●AISAS
興味・検索・購入・共有の過程が同じネット上で短時間に収束
個人が検索・比較・共有といった行動を取る
すなわち、私たちがWEBを活かすのは、
興味関心段階以降にいかに迫るかということと同義です。
ここを理解していないと、あるいはお客様に理解してもらわないと、
ただWEBという新しくて安上がりなメディアが出てきたという認識になってしまいます。
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⇒130〜131ページ【 顧客接点の多様化 】石黒さん
さらに、オンラインメディアは企業サイト一発ではなくて、
様々な種類のメディアを使い分けることになります。
各メディアにどんな特徴があるのか、
サイトブランディングに長けたネットイヤーグループでは
ブランドコントロールと消費者への影響を軸に取って、以下の通りまとめています。
◇顧客接点の多様化
ブランドコントロール 消費者への影響
自社サイト 強 小
メディア一般(※) 中 中
CGM(ブログ・SNS) 弱 大
※メディア一般:マス4媒体、情報サイト、比較サイト、検索行動など
※少し意訳していますので、気になる方は直接本を手にとってみてください。
実際にはもっと精緻なマッピングで紹介されています♪
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それでは5点満点での評価です。
タイトル(4)★★★★
「(宣伝費をネット広報に)まわせ」は、やや挑発的な表現ですが、
WEBサイト戦略の重要性を理解したい/周りに理解させたい思っている人には、
「ネット広報」の表現がぴたっと刺さります。
この表現は本当にうまいなあと思っていて、
通常この手の本のタイトルとして使われる「WEBマーケティング」や「PR/IR戦略」だと、
どうしても関係者/担当者だけに間口を狭めてしまいます。
「ネット広報」とわかりやすく表現することで、
メインターゲットの広報担当者だけでなく、経営者・サイトマスターをはじめ、
私のような営業(「宣伝費」を「ネット」に奪うという側面で)メインの人間にも
取っ掛かりを与えてくれるタイトルです。
ナレッジ(4)★★★★
インターネットを黎明期から見守り続けてきた方たちの共著だけに、
オンラインメディアがマーケティングに与えた影響・変化について
とても含蓄のある言葉で書かれています。
個人的には第3章のテキストマイニングの解説・活かし方も勉強になりました。
WEB(=オンラインビジネス)って情報が溢れているわりに
なかなか体系化されたナレッジに出会えないので、
本書の価値はすごく貴重だと思います。
スキーム(1)★
各章読みきりになっていて、それぞれ専門的な視点で語られます。
個々の章での話の組み立ては見事なのですが、
あくまで"共著"なので、本書全体としての一体感には欠けます。
総論部分がほんとに総論に留まってしまっている点が残念。
そこが「こんなナレッジありまっせ集」から一歩抜け出ない印象を受ける要因になっています。
総合(3)★★★
広報担当者はもちろん、WEBマーケティングに携わるすべての人が
いま読んでおいて損はない内容です。
書店では常にいい本はないかチェックしていますが、
自分も久しぶりにネット分野の本を読みました。


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